身体に及ぶ危険・脅威を学習させる信号経路を解明!

生き物が生き延びていくには、身を襲う様々な危険から身を守っていかなければなりません。そのためには、自分の身体に及んだ危険な状況や事態、環境を学習して、それを避けるなり、うまくやり過ごすなりすることが必要です。

このような学習の脳機構として「扁桃体」が明らかにされていますが、扁桃体がどのようにして「身体に及ぶ危険な状況」のことを知るのか、今までほとんど明らかにされていませんでした。

当研究室の大学院生、佐藤 優、伊藤真理子らは、「腕傍核」と呼ばれる脳幹の神経核からの情報がそのような「危険教師信号」を扁桃体中心核に送っている事実を、薬理学および光遺伝学的な手法を応用して証明しました。

この研究の一部は、日本学術振興会科学研究費助成事業基盤研究(B)課題番号25293136「脊髄-腕傍核-扁桃体路による痛み情動生成機構の解明」の補助を受けて進められ、成果は、Molecular Brain 8: 22, 2015 open access公表されました。